陽時計と日々記

三十路過ぎて囲碁を始めてみるおっさんのブログ。

棋書「囲碁ビギナーズ 13路盤で最速上達 」

この本、私が13路で勉強していた時期に買ったのですが、買った当時は「他の本で読んだことしか書いてないな。」と思って、一度さらっと読んだまま放ったらかしにしていたのですが、先日書いた"19路は怖くない"を読んで、もう一度読み直してみたところ、(あれ?結構良い本じゃないか?)と思ったので、取り上げることにしてみました。

この本はタイトルにもあるとおり、13路をメインにした指南書です。とは言え、序章で囲碁のルールの基本的な説明と、一章で9路盤での囲碁の打ち方が少し触れられています。"19路は怖くない"が初心者向けの本だとすれば、"13路盤で~"の方は入門者向けの本、という位置づけになります。

ざっくり本の内容を紹介すると、

  • 囲碁のルール、9路盤での囲碁の打ち方
  • 13路盤での囲碁の打ち方、布石(基本的な手筋・定石など
  • 13路盤での中盤戦(戦いのテクニック、ナカデ、辺と隅の生死
  • 13路盤でのヨセ
  • 19路盤での囲碁の打ち方

という構成になっていて、各章ごとに内容確認の為の問題が数問あります。

吉原先生が言うには、13路盤は19路盤を凝縮したもので、13路で使える技術は19路でもそのまま使えるため、19路になかなか移行できない人には良い広さ、という事だそうです。丁度、今はNHKの囲碁講座でも、吉原先生がその考えの基、13路盤を用いて囲碁講座をされています。

今回、もう一度さらっと読み直してみたのですが、全体的に読みやすく、分かりやすい。特に各章の終わりにある問題が見やすく、各章の内容を理解できているのかどうかを確認するには良い難易度で、なかなか良く出来ていると思いました。布石、中盤、ヨセに関しても、それぞれの考え方の基本中の基本になる考え方を説明していて、その都度の局面で必要になりがちな手筋や定石を紹介し、丁寧に解説してあります。つまり、「最低限これだけ覚えておけば、ヘタな事にはならないかも。」と思える内容で、なるべく分かりやすく碁の一局の流れを理解するには良いのでは、と思いました。ナカデや辺と隅の生死に関しても丁寧に解説してあります。コラムも良いですね。"対局のマナー"や"石の持ち方"など、意外と他の本ではあまり触れられていないのでは。

実は、知人が碁を覚えようとしていて、ネット上で有名な入門書の類を何冊か勧めてみたのですが、どれを読んでも難しく感じられたようで、「読んでも分からない、分かるようにならない」と嘆かれていたのですが、ふとこの本を渡してみたところ、「この本が一番わかりやすい、これなら分かる気がする」という反応が返ってきました。そこで自分自身ももう一度こちらも読み返してみた次第で、自分自身も(最近ちょっと難しく考えすぎてたかも知れない、このぐらい簡単に考えた方が良いのかも知れない)と言う感想を持ちました。

ルールも知らないところから入門しようとしている方には、この本よりも前に一冊なにか入門書から入られるのが良いかも知れませんが、この本で入門から初心者にステップアップはできると思います。9路から19路になかなか進めない方、19路に行ったは良いけどどうしたら良いのか分からない、他に本を読んだけどよく分からない、という方は、一度手に取ってみても良いかも知れません。


囲碁ビギナーズ 13路盤で最速上達 (NHK囲碁シリーズ )